お局様と3人の男たち

次の日、今日子はいつもより少し早く起き、いつもより丁寧に化粧をした。そしていつもよりきれいな恰好で会社に行った。

営業企画部の部員はみなそれを見て驚いた。何が起きた? 男? まさか・・・みんなコソコソ噂をしている。営業部全体で噂になった。
山田は直行だったので、そこにはいなかった。

その夜も今日子は残業をしていた。今日は水曜日だから8時に退社をしなくてはいけない。何気に山田を待っていた。
明日は祝日で休みのせいか皆帰るのが速かったけど、山田君は今日会社には戻らないのね。そう思いながら今日子は帰り支度を始めた。
その時、ドアが開いた。山田が帰ってきた。
「お疲れ様です。鳴海課長が最後ですか? 僕もすぐ出ますので5分待っていただけますか。」
「わかりました。待っています。」
今日子は山田がいつもと同じ態度なので安心した。でもちょっぴり寂しかった。やっぱり昨日のはただの挨拶よね・・・
「お待たせしました。帰りましょう。」
2人は会社の戸締りをして、警備員さんに鍵を渡し帰路についた。
「鳴海課長、今日も行きませんか? 今日は僕がおごります。」
「え? レンちゃんね。」
「今日は、屋台はどうですか? おでんと日本酒。」
「良いとこあるの? 」
「先日見付けたんです。公園横です。行ってみたかったので付き合ってください。」
「いいわよ。丁度明日は祝日で休みだし今日は飲んじゃいましょ。」
今日子はうれしかった。またあの時間を過ごせる・・・。うれしさが顔に出さないように気を付けた。
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