リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
何も知らない
授業中だって家に帰ってからだって、南先輩との会話を思い出しては、幸せな気持ちに包まれた。


そうやって、毎週火曜日の朝は決まって先輩と過ごした。

その時間は、私のなによりの楽しみになっていった。


いつしか、先輩のことを考えない日なんてないぐらい、頭の中は先輩でいっぱいだった。

「菫、あんた最近可愛くなったよね」

昼休み亜希ちゃんとお弁当を食べていると、突然そんなことを言われた。

「えっ……うそ?ほんと?」

「うん。雰囲気かなぁ?前よりも女の子らしくなったわ」

女子力高めの亜希ちゃんに、改めてそんなことを言われると恥ずかしい。

そんな短期間で変わるものなのだろうか?
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