ド男子に脅されています
 「優菜」
 聞き覚えのある声。松井里玖だ。

『最悪。なんで、日曜日までこいつを会わなきゃいけないの?』
聞こえなかった振りして、行こうとした。

「待って。」
腕を捕まえた。
「今、気づいたのに逃げようとした?」
「いえ、そんなことは・・・。」
「今帰り?今日は撮影終わったの?」
「そう。なんでこんなとこいるの?」
「俺、あそこの塾に通ってるんだわ。」
納得した。それで、Aスタジオから出てくるの見られたのだ。

「俺も、今日、塾終わり。
 無視しようとした罰。今から俺とデートしろ。」
「え?」
「逆らえないだろ?行くよ。」
手を繋がれた。
「ちょっと、手離して。」
「いや。デートだから繋ぐの当然だろ?」
諦めた。
「で、どこ行くの?」
「カラオケ行こうよ。」

カラオケに行った。
2人で、それぞれ歌った。
カラオケは久しぶりだった。
地元の友達と時々行く程度。最近、撮影忙しくて行けていなかった。
楽しかった。
「優菜。歌うまいな。」
「ありがとう。」
照れた。
< 11 / 22 >

この作品をシェア

pagetop