キミは掴めない。
「あと……まぁ、清瀬とも相変わらず一緒にいるよな」
「……へっ!?」
そう思っていた矢先、まさかのアキちゃんから清瀬くんの名前が出た。
へ、変な声出た……恥ずかしい。
「みぃ、大丈夫なのか?」
「え、え?何が?」
「だからその、清瀬みたいな人気者と一緒にいて」
少し遠慮がちにそう聞いてくるのは、きっと心配してくれてるんだよね。
クラス委員に決まったときもそうだった。
アキちゃんは、優しいから。
「うん。清瀬くん、いい人だから」
「……そうか」
ヘラっと笑って言うと、アキちゃんはいつもみたいにポンとわたしの頭を撫でた。
あ……なんか、懐かしいかも。
今まではそのスキンシップひとつひとつが嬉しくてドキドキしていたけど、なんだろう。
今は……安心するような、そんな感じ。