そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜
 昨夜はお風呂で色々あり過ぎて、何だかよく分からないままに頼綱(よりつな)の指示のもとお風呂の始末をつけて、荷物の運び込まれていた洋間に戻った。

 室内にはいつの間に用意されたのか分からないけれど、布団が一式部屋の真ん中にポツンと置かれていて。

 洋間に布団を敷くのは、何もかもが完璧に見えるこの家では何だか変な感じがしたけれど、私が突然押しかけたから急拵(きゅうごしら)えになったのかな?って勝手に思った。

 その布団をいそいそと敷いている時に、「今夜()()特別だからね」って頼綱に言われて、「え?」って問い返したけれど、聞こえなかったのかな?

 何事もなかったみたいに「おやすみ」って部屋の扉を閉ざされた。

 いつもの私なら追いかけて食い下がったのかもしれないけれど、昨夜の私はそれがどういう意味なのかと問い返す気力さえなくて。



 何だか頼綱にお風呂で触れられてから、身体の中に何かが()()()()()ようで落ち着かないんだもん。
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