今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
*第4章*

俺を見て〜side 理人〜


今日も天音ちゃんと久遠が仲良くする中俺はなにも出来ずにただいる。


……俺の方が天音ちゃんのこと、ずっと見てきたのに。







約3年前——

「ねぇ、聞いてる?」

「……え?ああごめん、聞いてなかった」

「もぉ〜!」


昔から“女たらし”で俺は有名だった。


俺はそうは思ってないけれど、いま隣にいる女は俺の彼女ヅラをしている。


「……ねぇ、女子ってなにされると嬉しいの?」

「さぁ。イケメンだったら彼氏になってくれたら十分なんじゃないー」


……そっか。


女なんてそんなものか。


「あーってかさ、知ってる?近くの宝生学園」

「んーあー知ってるよ」


俺の通う学園の近くで、学力が国内トップクラスに高い。


……確か月城財閥の学園だよな。


「……それがどうしたの?」


別の学園になんて興味ないんだけど。


「そこに、とびっきし可愛い女がいるらしくてーしかもあの中学で生徒会長らしいの!アタシらに比べたら雲の上の人よねーなんて」


……あの宝生学園で生徒会長?

それは相当頭が切れるんだろうな。


でも、そんなことはっきり言ってどうでもよかった。

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