今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。

ふふっ、嬉しいなっ……!!

それから私たちは、お弁当を仲良く食べたっ……!


とっても幸せな時間が過ぎて、ふと、嫌な予感がしてきた。


「く、久遠くんっ……!なんか、騒がしくない……?」


嫌な予感の次は音だ。


「ああ、そうだな」


ガチャン!!


勢いよく開いた屋上の扉。


「上杉久遠!!お前に決闘を挑む!!」

「……すまない天音」

「?」

「俺はコイツらを殺らなくてはならない。だから、先に教室に戻っててくれ」


コイツらを、やる……?

どういうことかはわからないけどっ……。


「わ、わかったよっ……!久遠くん、一緒にお弁当食べてくれて、ありがとう……!」

「……こっちこそ」


久遠くんに笑みを向けて、私は屋上を出た。

ガチャンとしまったドアにもたれかかって、しばらくドキドキしてしまったのは、久遠くんには秘密だ。
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