今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
「ど、どうしたの?」

「この問題、解いてください」


……この問題は、たしかあの国内トップの大学受験の過去問題……。


「わ、わかった……!」


難しそうだけれど、楽しみでもあって自分の机の椅子に座り、シャーペンをぎゅっと握る。


「……よーい、スタート」


志遠くんの声と共にシャーペンをノートに走らせて、問題を解いて行く。


あ!これ一昨日勉強したばっかのところだ!

知識として身について問題が出てきてくれると嬉しいな!


はわっ!これは、めちゃくちゃ苦戦した数学の問題!

解き方をやっと覚えられたものだから、やりがいがあって楽しい。


その後の問題もスラスラと解いて行くと、私はとか終わったことを志遠くんに伝えた。


「っ……すごい……2分ぴったり……」

「わぁ!最高記録だー!やったぁ!」


問題は10問、やりがいもあったし最高記録も出た。


「天音さんが天才って言われてたの、マジでしたね。今度よかったら勉強教えてください」

「是非!!」


人に教えると自分にも身につくし、なにより教えた人の成績が上がるのはこちらも嬉しい。


「あ、やっべ。今日このあと父さんになんか言われる用事あるんだったわ」

「あ……俺はこのあと家で3時間勉強をしなくては」

「俺はペットのハムスター愛でなきゃー」


志遠くんの勉強はわかるけど、李遠くんのお父さんになにか言われる用事とはっ……?

それに、ハムスターを愛でる……。
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