今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
なんだか聞いたことのある名前だな。

でも、この人が来てくれたおかげで、なんだか安心した。

そして、その上杉久遠という人は、あっという間に不良さんたちを倒した。


「……大丈夫か?」

「へっ?あ、ありがとうございますっ……!」

「……なら、よかった」


ふっと笑ったその笑顔が、心の中のなにかをモヤモヤとさせた。

ものすごく、怖いくらい心臓はドキドキしているというのに、全く嫌じゃなくて……。


「あ、あのっ……!な、名前っ……!上杉、久遠さんですか?」

「ああ」

「う、上杉さん、ありがとうございました!」

「ん。じゃあな。きーつけて帰れ」

「はい!」



とっても優しいあの笑みが、声が、心の中に響いた。

その後家に帰っても、ずっとドキドキしたままだった。

あの人の、笑顔がまた見たいなっ……。

優しい笑顔……。

それから陽奈ちゃんにそのことを話すと、“恋”というものを教えてくれたのだ。


我ながらあっけないく恋に落ちたなぁって思う。

だけど……初めて、好きな人、ができたんだから、久遠くんとは、仲良くなりたい。


久遠くんはとっても女の子にモテるから、女の子がいないタイミングを狙って話しかけるのが1番いいよねっ……!
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