甘く響くは君の声。
3.ソーダ味の彼

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「…ん?」

靴箱に違和感を感じて、上靴の上に乗っていた「モノ」をスッと手に取った。

「なになに、ラブレター?」

一緒に登校した翼ちゃんとふたりで白い封筒に入った手紙を取り出し、そこに書かれている文字を目で追う。

『小鳥遊ゆらの。朝のHR前に体育館の裏まで来い』

「…なんてベタな…」

「…ね。」

翼ちゃんの呆れた声での呟きに同調し、困ったなと頭を掻く。

「これってたぶん、大石先輩絡みだよね…?」

「たぶんってか、絶対そうでしょ」

ハァァァ〜ッ。
翼ちゃんの意見を聞いて今度は深い溜め息を吐いてしまった。

「あたし一緒に行くよ。なにかあったらあたしならアンタのこと守れるし」

翼ちゃん。貴女は何処(どこ)のイケメンですか。

でも。

「いい。私ひとりで行く」

「っ、ゆらの!危険だって!」

「翼ちゃん、今度大事なオーディションあるんでしょ?それなのに怪我なんてしたらダメだよ。呼び出されたのは私ひとりみたいだし」

「でもっ!」

「大丈夫。HR終わっても教室に戻って来なかったら吾妻先生に事情説明して貰えれば助かるかな」

翼ちゃんをこれ以上心配させたくなくて、出来る限りの笑顔でお願いした。

「ゆらの…。うん、わかった」

私の事を自分の事以上に心配してくれる翼ちゃん。

今度のオーディションの審査が通れば翼ちゃんの悲願でもあるモデルとしての道も開かれると聞いている。

だから、余計に連れて行くわけにはいかない。






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