愛しの彼に溺愛~ジムトレーナーの場合~
プロローグ
ジムの専用ウェアに着替えて個室へと向かう。


高級感が漂うジム内の場違い感に少しだけ頬がひきつる。
でもここまで来たんだ。もう後戻りはできない。

指定された個室の前で大きく深呼吸する。


「よしっ…!」


━コンコン


「あ、どうぞー!」


部屋の中からは少し低めの声が聞こえる。
もしかして担当トレーナーさんって男の人!?

ど、どうしよう…。

余計に緊張する身体を引っ張って部屋に入る。


「初めまして、僕が担当の東條仁(とうじょうじん)です。これから一緒に頑張りましょうね」


声のする方を見ると、口調とは似ても似つかないワイルドなイケメンさんがいた。

え?この元不良っぽい人が私の担当?え?まじ…?
でもイケメンだし、口調は優しいから正直当たりなのでは!?

このときのピュアな私は気づいていなかった。


彼の本性が…。


「おい。俺は毎日スクワットを3セットやれって言ったよな?この凄腕トレーナーの俺様がそう言ったんだよなァ?つべこべ言わずに早くやれ」


超絶鬼畜な俺様トレーナーだってことに!!
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