愛しの彼に溺愛~ジムトレーナーの場合~
第二章『本性』 side東條仁
新しく入ってきたのは珍しいタイプだった。

ジムの入会するようなタイプにも見えない。
本気で自分を変えたいようにも見えない。


━「えっと、安藤舞さん?」
━「へ、は、はい!」
━「おっ!元気がいいですね。でもそんなに張り切らなくても大丈夫ですよ」
━「へ?」


ただただジムにくるのは珍しいタイプだと思った。


「はい。ありがとうございます!これで全ての測定が完了しました」


気持ち悪い猫被り状態で話しかける。

それもこれもあの女が宣伝しまくったせいだ。
別にジムに入会する人が増える分にはいい。

だが俺を”優しいイケメントレーナー”と紹介しやがったんだ!!

俺様の性格を知る数少ないお得意さんが爆笑してたぞ!
ふざんけな!

そう思いながら新しくパートナーになった安藤に話しかける。


「うーん。結構、動けてないですね~」


少し口角がピクピクしてるけど、ま、大丈夫だろう。
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