君とベビードール
歩いていたら、あたしの香りがした。
あたしのベビードール。
「…え…、」
思わず立ち止まって、振り返った先には、
「あの子だ…」
綺麗で可愛らしく笑っていた、
准さんと仲良さげに歩いていた、さっきの女の子。
後ろ姿でわかってしまうほど、髪型も服装も笑顔も、目の裏に焼き付けてしまっていたあたし…。
どうして…?
どうして…?
紅湖の香りだって、言ってくれたのに…
あたしを想い出す、ズルい香りだって言ってくれたのに…
あたしのベビードールなのに……