夢のつづきを君と歌う
「ライブ楽しみだなぁ」
「お前たちが楽しみなのはライブじゃなくて新曲だろ」
「あはは、バレた?」
「バレたじゃねぇわ」
頬を膨らませる奏音の顔は、口振りほど不機嫌そうではなくて、私はじっと見つめていると、向かいにいた凛花さんがボソリとみんなに聞こえるように言った。
「嬉しいくせに」
「うぐっ……。おい、凛花。威厳を欠くようなこと言うなよ」
「大した威厳なんて元々持ってないでしょ」
凛花の容赦ない言葉に亮平がコクコクと頷く。
それに珠々と美咲が吹き出して、釣られたように私と馨も笑い声を漏らした。