夢のつづきを君と歌う

体育祭 〜午後の部〜



お昼休みになると、レジャーシートを先生から借りた私たちは、さっきまで集まっていたテント下でお弁当を食べることにした。


楽しく話しながら食べていると、奏音たちの知り合いらしい先輩が近寄って来た。



「ちょっと良い?部活の件で相談があって」


「……分かりました」



間を置いて頷いた奏音は、お弁当に蓋をしてから離れて行く。

二人の姿が見えなくなると、亮平と凛花が盛大な溜め息をついた。



「あの先輩、ギターの腕良かったのにな」


「裏切られたわ」



うわぁぁ!

(すさ)んでるぅぅ!



「ほ、本当に相談かもよ……?」


「なら“告白で呼びに来た”にジュース1本賭けるわ」


「俺も3本賭けて良い」


「か、賭けはやめようよ……」



うん。

そうだね。


馨くんはいい子だね。

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