生徒会室で甘い、秘密の時間
一方。


さっきの男子は正面の机に座ってなにやらパソコンをいじっている。


「あぁ。この人は生徒会長の 乙坂瑞季(おとさかみずき) くん。二年生」


莉穂先輩が私の視線を感じてかさっきの男子を紹介してくれる。


「え?この人が生徒会長なんですか....!?」


「うん。
さっきから無口だけど正真正銘生徒会長」


「そうなんですね。これからお邪魔になります、会長先輩!」


「あ?」


ずっとその生徒会長を心の中で“男子”だなんて呼んでたなんて申し訳なく感じる。

しかも怖くて莉穂先輩みたいに名前で呼ぶことは難しい。


だから“会長先輩”って生徒会長先輩じゃ長いから呼んでみたけどめちゃめちゃこの呼び名に不機嫌になってる....!


「ちはるちゃん、名付けセンスいいね。乙坂くんも喜んでそう」


「えっ、ほんとですか?嬉しいです」


莉穂先輩に褒めてもらったからそのまま生徒会長のことを“会長先輩”って呼んでみることにした。


「乙坂くんは邪魔者をとことん追い詰めるタイプだからさっきはごめんね」


「いえ、莉穂先輩のせいじゃないです」


“さっき”という言葉に心臓が音をたてた。


さっきの出来事は思い出すだけで顔が赤面しそう。
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