初恋=人気俳優
朝まで、ほとんど寝れなかった。

『どうやって会えばいいんだろ?』
とりあえず、出勤し、気持ちを切り替えることにした。

『仕事。仕事。』
言い聞かせ、特別室に入って行った。

「おはようございます。」
「おはよう。」
涼太くんの声を聞いて、胸が高鳴った。それを抑えるのに必死だった。

「今日も担当です。宜しくお願い致します。」
検温・点滴交換を行う。
「楓、変わったね。」
「それ、どういう意味?」
「昔は、泣き虫でウジウジしてて、ぼそぼそしゃべってた。
 今は、ハキハキしゃべるし、表情が強くなった。」
「ディスってます?」
「いや、いい意味で。可愛い子が大人になりかっこよくなった感じ。」
「強くなろうと努力した。いつまでも泣き虫じゃだめだと思って。」
「すごいね。楓は・・・。」
「涼太くんもすごいじゃん。人気俳優なんて、普通なれない。たくさん頑張ったんだね。」
「まあね。」
「じゃあ、また、来ます。何かあったら、ナースコール押して下さい。」

退室した。

『普通に話せてただろうか?』
緊張したのだった。
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