ママになっても、極上ドクターから独占愛で迫られています
 白を基調としたシンプルなデザインの部屋は三年前にお邪魔したときと変わりなかったのだが、間取りがどうも違う。

「ここって1LDKだったよね?」

「十五階の部屋はそうだったな。ここは3LDKだよ」

 違和感を抱いて尋ねると、返ってきた言葉に手にしていた荷物を取り落としそうになった。

 ひとりで住むにはあまりにも広い。なるほど、私たちを気軽に呼び寄せたのは、部屋が余っていたからなんだ。

 部屋の説明をする蒼さんの声を遠くに聞きながらひとり納得した。

 私と蒼斗が使用させてもらう部屋には、大きめのベッドとテーブルにソファ、他にもたくさんのものが用意されていた。

 客間として元々あったのか、私たちのために用意されたのか不明だが、確実に蒼斗と私のためだけに準備されたのだと疑わないものがあって呆然とする。

「あっ! ぞーさん!」

 蒼斗も気づいて、メッシュ素材に象の絵がプリントされたベッドガードに駆け寄った。
< 99 / 193 >

この作品をシェア

pagetop