4人のお兄ちゃんは王子様!?
≪琉生side≫
結衣の部屋から追い出されると俺はリビングへ戻った。

なんとなく結衣が何か隠してるようにも感じる。

リビングでは秀と大雅がコーヒーを飲んでいた。


琉「大雅、誕生日おめでとう。」

大「おぉ。サンキュー♪」

秀「大雅おめでとう!」

大「ありがとう!」



琉「なんか欲しいものあるか?」

俺は結衣同様に大雅にも聞いてみる。


大「んー。医療本とかかなぁ。琉兄が使っていたやつがいい!」

こいつもか。

新しいやつの方が絶対に使いやすいのになんでお下がりなんだよ。




琉「いや、新しいの買ってやる。」

俺がそう言うと大雅は首を横に振った。


大「使ってたやつが欲しい。そっちの方が色々メモとか書いてあって勉強しやすいし。」

大雅はニカっとした笑顔を見せた。

そう言われたらそうするしかない。



琉「分かった。じゃ、あとで部屋に選びに来い。」

俺は渋々了承した。



秀「俺も何かプレゼントでも……んー結衣ちゃんとお揃いとかがいいかな。」

大「えっまじ!?」

琉「そこは遠慮しろ。」

大「いや、普通に嬉しいし。」



琉「夏休みだし、祝いも兼ねて旅行にでも行くか。」

秀「それは瑛斗のスケジュール次第だね。」

大「だな。また映画の撮影始まったみたいだし…。」

琉「そうだったのか…。」

知らなかった。

最近は瑛斗とタイミングが合わず全然話せていない。


琉「あ、そういえば結衣なんか顔色悪かったように見えたんだけど…」

大「あー。うん。途中で入ったカフェがエアコンガンガンでさ、早めに吸入させたから大丈夫だと思うけど…。」

少し心配そうな顔でそう言う大雅。


琉「そうだったのか。ありがとな。」

大「いーえ。」

秀「ところで夕飯どうする?」

大「俺作るよ!」

琉「お、久しぶりの大雅の飯楽しみだな。」

秀「だね~。」

琉「じゃあ、旅行の件は後日って事で。一応結衣の様子見てくるな。」

大「おう。じゃー俺は早速作りますか。」


そう言って大雅は気合を入れて作り始めた。

俺はそのまま結衣の部屋へと向かった。

結衣の部屋はすでに電気が消されていて結衣は眠っている様子だ。


ついでに胸の音でも聞いておこうか。


俺は部屋に聴診器を取りに行き、結衣の胸の音を聴いた。


喘鳴が若干聞こえるくらいか。

熱もなさそうだし、吸入もしたなのならあとは様子を見るだけだな。


結「ん…琉生お兄ちゃん…?」

琉「悪い…。起こしちゃったな。」

結「大丈夫…。どうしたの?」

琉「具合はどうだ?」

結「えぇ?大丈夫だよ…。」

琉「息苦しさとかは?」

結「今のところ大丈夫。」

琉「そうか…でも喘鳴が聞こえるから無理せず今日は休め。あとで晩飯持ってくるけど…食欲は?」

結「あるよ。私何かお手伝い…。」

琉「だから休んでていいって。」

結「うん…。」


結衣は再び瞼を閉じた。

その様子を見る限りやっぱり少し自覚症状はありそうだな。
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