4人のお兄ちゃんは王子様!?
≪大雅side≫



結衣と榊が出掛けると聞いた数日前。

俺は2人が出かけるのはなんとなく嫌だった。

これがヤキモチというものなのだろうか。




かと言って…

大「なんでついてきてんだよ…俺。」

なんか情けねぇ…。

全く本当に何してんだよ。

女々しいな、俺。


そんな事を考えながら俺は2人を尾行していた。

でもそれは俺だけではなかったらしく…。



真「なんとか男撒いたぜ。」

大「サンキュー…。」

紗「ったく大雅は結衣のことになると本当心配症なんだから。」

大「お前らもだろ!!」

真「そりゃあいつはうちらの親友だからな!」

ん?親友なら尾行すんのか?

普通しねぇって…。



大「ま、あいつは本当ほっとけねぇよな。」

真「だな。それにうちらは執事なんかよりも大雅×結衣推しだぜ。」

大「なんじゃそりゃ。」

紗「結衣達動いたぞ!」


結衣は何かを話しながら立ち上がった。

ん?今ふらついた?

それに子どもたちと遊んでいたからか、だいぶ顔が赤い…。

うーん…。


大「お前ら…俺、ちょっと買い物行ってくるから、さっき教えた連絡先に場所だけ送っておいてくれ!」

真「あ、じゃあうちらのジュースもヨロ。ちなみにうちコーラで。」

紗「私もー!」

大「ったく…分かったよ…。」


俺は少しその場を離れ、買い物に行った。

なんとなく嫌な予感がする。















それから買い物を終えると再び、2人と合流する。



真「お。ジュースサンキュー!」

紗「ありがと。」


大「人使いあれーな。お前ら。」

紗「で?大雅は何買ってきたの?」

大「あー色々な。」


そんな話をしながらまた尾行を続ける。

大「ってかカフェなら飲み物いらねぇじゃん。」

紗「あとで飲むからいいんだよ。」

大「はぁ……」


こいつらと行動を共にしてると疲れるな。

日々の結衣の苦労がよくわかる。







それからもしばらく俺らは尾行を続けた。


でもすぐに俺の嫌な予感は的中した。



結衣がしゃがみ出したのだ。





榊「結衣?大丈夫か?」

結「大丈…夫。」


大「大丈夫じゃねぇだろ。」

結「大雅兄…!?」

榊「……俺は気付いていたよ。」

結「え?え?どーゆー事!?」

榊「とりあえずベンチで休もうか。熱中症だろう。」

大「だろうな。これ。少しずつ飲んでおけ。経口補水液だ。」


結「え。ありがとう。」


真「さすが大雅!」

結「え!?真央ちゃんたちも一緒だったの?」

紗「たまたま一緒になったっつーか。」



結「??」


大「とりあえず、榊…車だろう?俺が結衣おぶるからそこで少し休ませてやってくれ。」

榊「分かった。」



少し具合の悪そうな結衣を担いで俺らは車へと行った。



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