4人のお兄ちゃんは王子様!?
≪秀side≫






秀「寝たね。俺らもリビングへ行こうか。」

琉「だな。」


眠り始めた結衣ちゃんを後にして俺らは部屋を出た。





大「てかさ、なんであいつあんなメガネかけてるわけ!?」


そう大雅が言い出した。

そうだよな。不思議だよな。

普通のメガネならともかく彼女は伊達メガネ。

疑問に思うのもしょうがない。










俺は一応噂で聞いたくらいだけど…









中学時代の彼女は容姿からしてかなりモテていたらしい。






もちろん今だってメガネさえ取ってしまえばかなり可愛い。



スタイルだって細すぎるくらいで背は低いがモデルも目指せるようなレベル。







そんな彼女は周りの女子からも嫉妬され、虐められることも多々あったそうだ。





そして事件は起きたらしい。









それは誘拐事件。










可愛い彼女は周りからも注目の的。





もちろん異常な感覚を持った人からも。









幸い恐れている事が起きる前に犯人は捕まったらしいが………









それ以降は引っ越しをし、彼女は眼鏡をするようになったらしい。














大「ふーん。じゃあ、秀兄は知ってたの?あいつの眼鏡を取った姿。」

そう言いながら俺を少し睨みつける大雅。


秀「そりゃまー見る機会は多々あったからな。」


琉「でもま、俺らの妹になった時点で……な。」


大「うん。だな。」





は?どゆこと??





なんだか段々と兄弟の意思が変わってきているような…


結局顔かよ。









大「とりあえず俺あいつにおかゆ作るわ。」



秀「あ。お、おう。」





そう言って大雅は結衣ちゃんに食べさせるようのお粥を作り始めた。




琉「にしても……酷いな。その話。」


秀「あぁ…それなのに夜遅くまで、そして早朝くらい時間からバイトって……」


琉「え!?結衣ちゃんそんな寝てないの?」


秀「最近授業中も集中できてないっつーか……成績も落ちてきてる。」


琉「……………」




明らかに俺らのせいだよな。







瑛斗がお弁当を作らせたり家事をやらせていたのはさっき聞いた。




なんで今まで気付かなかったんだろう。


勉強も頑張っていた彼女が真夜中起きてバイトもしてるのにお弁当を用意して……


それがどんだけ彼女の負担になっていた事か。




……それは計り知れない。



俺らの弁当が空から降ってくるわけがない。





5人分を結衣ちゃんは毎朝作っていたんだ。





いつのまにかお弁当を作るのが当たり前になっていた。







それに結衣ちゃんの作るご飯は今までたくさん食べてきた外食とは違う温かい味がする。




でも……









琉「結衣ちゃんはバイト禁止。そして俺らも前以上に家のことはもちろん、自分のことは自分でやろう。料理は交代制な。」


「「おう。」」


それが俺らが強く意思決定した始まりの日だった。


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