記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
まぶしい光
私が見たのは、メールの内容。

両親が亡くなる前、最後のやりとりもメールの中に残っていた。
私がそのメールを見て涙を流すと、そっと紫苑が涙を拭ってくれる。

両親との最後のメールのあと、紫苑からのメールがすぐに入っていた。

何も知らない紫苑が、私に連絡をくれたタイミング。
きっと、私は紫苑の存在に救われただろうと、簡単にわかる。
今の私には。

その証拠に、彼は私よりもつらそうな顔をしながら私の隣に寄り添い続けてくれていた。

すべてを見終えてから、私は携帯電話の電源を切った。

紫苑は私を抱き寄せてくれる。
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