一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
 ――琉永。俺は君に自由をあげよう。そして、俺は君をもらう。

 窓の外は灰色に染まっていたけれど、彼女が着ていた青のワンピース。
 青いワンピースに目がいき、それを着ていたのが、気になっていたデザイナーの清中(きよなか)琉永(るな)だと気づいた。

 ――同じ人に二度恋をした。

 君は自分を駄目だと言うけど、俺はそう思わない。 
 服を着て、明るい空を思い出させる君は、特別なデザイナーだ。
 悠世のように強いインパクトを持つタイプではなく、そこにいるだけで必要とされる存在。
 周囲はいなくなってから、初めて彼女の価値に気づくだろう。
 
「俺の結婚に口出しは無用。それが、会社を継ぐ条件です」
 
 ここにきて、全員がすでに俺の手の内にいることに気づいた。
 一人一人の弱みはしっかり握っている。
 それを俺は前もって教え、反対できないようにしてあった。
 
「怖い男だ」

 悠世だけが笑っていた。
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