一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
第21話 私、結婚しました
 冷たいと罵られ、戸惑う私を啓雅さんは追い詰めていく。
 すかさず、スマホを取り出し、啓雅さんは『清中繊維』の番号を見せた。

「今頃、INUIグループから契約を切られ、冷たい娘を持ったと、恨んでいることだろう。親子の縁を切られたくなかったら、俺に謝罪したほうがいいぞ。今までの非礼を詫びて、これからは俺の言う通りに生きるというなら、赦してやる」

 啓雅さんがそう言った瞬間、事務所のドアが開いた。
 入口に立っていた啓雅さんの背中にドアがぶつかり、前のめりになった。

「おい。入口をふさぐな……って、なんだ。乾井のバカ息子が来てたのか。こんなところに立って、なにをしてるんだ?」
「誰がバカ息子だ!」

 抗議した啓雅さんを無視して、事務所内に入ってきたのは理世だった。
 理世が現れたことで、ギスギスしていた空気が和らいだ。

理世(りせ)……」
琉永(るな)、どうした? なにがあった?」

 泣きそうな私の顔に気づいて、理世は啓雅さんをにらんだ。

「なにを言ったのか、だいたい想像がつく。早朝なら、俺が現れないと思って、ここへ来たか」
「そ、それは……」
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