一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
「覚えてろ。俺に恥をかかせたこと、後悔させてやるからな!」

 啓雅さんはバッと背を向けて、逃げるようにして出ていった。

「うっわ、執念深そう」
「あの手の男はめんどうよ」

 紡生さんと恩未さんは、やれやれとため息をついた。

「琉永ちゃん。心配しなくていいと思うよ。大魔王がいるし」
「そうそう。味方でいる限りは、心強くて頼りになる旦那(大魔王)がね!」
「え? は、はあ……」

 ――なんだろう。この空気。

 みんなに『頑張って』というように、ぽんっと肩を叩かれたけど……?

「なんか腹立つな。まあ、いい。デザイン画はできているんだろうな?」

 啓雅さんのこともあったけど、理世はデザイン画を見るために、出勤前に寄ってくれたのだと思う。
 本気で理世は『Fill(フィル)』を『Lorelei(ローレライ)』と並ぶブランドにしようとしている。
 それが伝わってきて、全員の顔つきが変わる。

「これです」

 恩未さんが集めたデザイン画を理世に手渡す。
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