一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
「ぎゃっ!」

 紡生さんは、カエルが潰れたみたいな声を出した。
 現れた理世を見て、慌てて恩未さんの背中に隠れた。

「ちょっと、紡生! 私を魔王の生け贄にするつもり!?」

 ぎゃっーと二人は争いながら、理世の前にお互いの体を押し合っていた。

「俺からのサプライズにするつもりだったのに、勝手に見せるなよ」
「流れだよ。な・が・れ!」
「そうそう。琉永ちゃんが結婚式をしないって言い出したから」

 理世が私を見る。

「そうなのか?」
「私も理世も仕事が忙しいから、まだまだ先でもいいかなって」
「忙しくても、俺たちの結婚式は必ずやる」
「うん。結婚式の時。理世が着る衣装は、私がデザインしてもいい?」
「いいぞ。ただし、リセのほうでないならな」

 理世にとって、一番のライバルはリセ。
 私がリセの姿も好きなことに気づいている。 

「もちろん。タキシードでね。理世。素敵なドレスをありがとう。すごく嬉しい」
「気に入ったならよかった」
「ずっと飾っておきたいくらい」
「うん? 飾る?」
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