初恋グラフィティ

2学期も終わりに近づいた頃。


このときを待ってましたというように、久々にユキちゃんからメールが入った。




[テストお疲れ様。結果はどうだった?あんまり悪くても落ち込まないようにね(笑)。
ところで今週末泊まりに来ない?一緒にクリスマスの予定も立てたいし。連絡ください。]




えっ…、


ユキちゃんちにお泊まり…?




…ってことは、


ユキちゃんの前で服を脱いだりする可能性もあるってことで…。




どうしよう…。




まだお腹は大きくないけど、もし妊娠してることがばれたらどうすればいいかな…?






私はしばらく悩んだけど、ユキちゃんに会いたいのはこっちも同じだったので、




[じゃあ土曜日に行くね。]




と返事を打った。







大きな鏡の前に立ち、そこに自分の姿を映してみる。




大丈夫だよね…?




私、どこも変わってないもん…。




妊娠してるってこと、ばれたりしないよね…?






そう自分を励ましながら、


私は母に「キーコの家に泊まりに行くから」と言って、土曜の夜の外泊許可をもらったのだった。



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