初恋グラフィティ
ユキちゃんの冷たい視線が突き刺さる。
「言えよ…。元彼…?」
「そんな…、そんな人なんていないよ…」
「じゃあ誰…?」
「それは…」
ユキちゃんが声を荒立てるので、私はもう半泣き状態。
こうなった以上、本当のことを言うしかないと思った。
「ユキちゃん…」
「ん…?」
「あのね…、これから私が言うこと、落ち着いて聞いてくれる…?」
覚悟を決めてそう言うと、
「何だよ…?」
ユキちゃんは苛立ったように返して、シートに深く座り直した。