初恋グラフィティ

「今学期は赤点も取ってしまいましたし、はっきり申し上げますと、このままだと進級もあやぶまれる状況です」




かげちんがきっぱりと言った。




「それはそれは娘がご心配をおかけし、本当に申し訳ございません…」




母の横で一応私も頭を下げる。




かげちんはテーブルの上のお茶を一口飲むと、ゴホンと咳払いして続けた。




「以前志保さんと面談させてもらったとき、志保さんはテストの結果が悪かったのは、ただやる気が起きなかったからと言っていたんですが、私としては彼女の性格を考えますと、何かそれ以外に勉強が手につかない理由があるような気がするんですよね…」




…さすがかげちん、するどい。




「お母さんの方でも思い当たることなどございませんか…?」




かげちんは身を乗り出すようにして母にたずねた。




「そうですね…」



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