初恋グラフィティ

学校まではバスで通学することにした。



恭平さんは「車で送ってってやるよ」と言ってくれたけど、それはやっぱり断った。



そこまで恭平さんに甘えちゃうのはさすがに気が引けたし、


ユキちゃん以外の男性に車で送ってもらっちゃうと、


これまでユキちゃんと作ってきた思い出が全部消されてしまいそうで何となく嫌だった。






引っ越してからユキちゃんに会うこともなくなり、彼から連絡がくることもなかったんだけど、




やっぱり私の心の中には恭平さんではなく、ユキちゃんひとりが住んでいた。






…そんな気持ちに気づいたものの、今更どうすることもできなくて、




私はきっとこうなる運命だったんだと、徐々に全てをあきらめ始めていた。







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