真夜中のサーカス


黒鳥律様

いかがお過ごしでしょうか?
突然ですが、あなたを「真夜中のサーカス」にご招待したいと思っております。
この「真夜中のサーカス」は、この招待状が届いた方しか楽しむことができません。
ピエロに猛獣、火の輪に綱渡り、楽しめるものが多く揃っております。
今夜、21時より開演です。場所は××で行います。
来られるのをお待ちしております。


そう書かれているのだが、差出人はどこにも書かれていない。さらに「真夜中のサーカス」というサーカス団は耳にしたことがなく、このサーカス団がサーカスを行うと書いた住所は街外れの何もない空き地である。

「何だ、この手紙。あいつのいたずらか?」

律の頭に幼なじみであり、同じ学校に通っている三島凪(みしまなぎ)のふざけて笑う顔が浮かぶ。今日、喉がガラガラになっているのもこの幼なじみのせいだ。律にわざとキーの高い女性シンガーの歌ばかり歌わせたからである。

「まあどっちにしろ、危なそうだしやめた方がいいんじゃない?」
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