ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

また噛んだ!

思わず腰を浮かせて、体をくねらせちゃう。


「モモってほんと面白いよね」


それを見て、おもろそうに笑うイジワルな唇。

また伊緒くんのペースに乗せられちゃったよ……。


はあはあと切れる息を整える横で、涼しい顔してる伊緒くん。

でもさ。

よーく考えたら府に落ちない。


「ねえ伊緒くん。百歩、千歩、いや一万歩ゆずって、真柴くんがわたしのことその……すき、だとして、伊緒くんは困ることあるの?」

って聞いてみた。


「はあっ!?」


もちろん、私が好きなのは伊緒くんだから、誰に好きになってもらってもごめんなさいだけど。

なぜか、顔が赤くなった伊緒くんは、


「そーゆーとこだよ」


不機嫌になって、テレビのリモコンを手にしピッと付けた。

画面からは「わははは~」なんて大音量の笑い声がきこえてきて、部屋の空気が一気に変わる。


なんだろう。

へーんなの。

私は首を傾げながら洗い物をはじめた。
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