ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

すると、伊緒くんがキョトンとして言った。


「プッ、俺たち、子連れ?」

「……っ!」


とんでもないワードが飛び出して、思わず声が出なくなっちゃう。

だって、子連れ……って。

私と伊緒くんに子どもがいるってこと……?

きゃぁーーーーーーー!


「いや、なんで黙るの」

「そ、それはっ、伊緒くんが変なこと言うからっ」


プイっと顔をそむければ、追いかけてくる瞳。

私を覗き込む顔は、いたずらに満ちている。


「とにかくどっか行こうぜ。真柴との3ポイント対決で勝ったからいいだろ」


あ!
そんなのあったよね。

あの勝負、結局伊緒くんが勝ったんだ。

そんなのなくても、伊緒くんから誘われたら絶対に行くのに!

あのときは、心の中では伊緒くんのことを全力で応援してたから、勝った瞬間はとび上がりそうになっちゃった。

……真柴くんの手前、やらなかったけど。
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