桜を木の下で

2度目の告白

 22時になり、店を出た。
 電車で来てる人は電車で帰った。
 愛菜も、1人暮らしのため、電車に乗って行った。同じ方向に歩いて帰るのは、颯太と私だけだった。

 颯太と歩いて帰っていた。

桜の木は緑一色になっていた。
そこで、颯太が急に止まった。
「え?」
「琹。」
「何?」
「今、彼氏いる?」
「残念ながら、いない。」
私は、颯太としか付き合ったことがなかった。

「俺と、もう一度、付き合ってくれないか?
この4年間、栞のことを忘れた日はなかった。琹だけしか俺にはいない。」
ネックレスを見せてくれた。
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