桜を木の下で

同棲

 それから、2年弱経ち、24歳になった。
相変わらず、実家にいた私は、毎日、桜の木の下を通り、電車で通勤していた。

 この年は、颯太と桜を見に行った。
桜はキレイに咲き誇っていた。

 颯太が桜を見ながら言った。
「一緒にアパート借りて、住まないか?
もっと一緒にいたい。」
「うん。そうしよう。」

私たちは、大学病院と サッカーチームの本拠地の間ぐらいの場所で、アパートを借り、住み始めた。

桜の木を毎日見ることはなくなった。
< 39 / 50 >

この作品をシェア

pagetop