【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない
「何笑ってるんだ?」




「なんでもないよ」





意外?ではなくてなんとなく予想通りで思わず笑っちゃった。





「そうか。じゃあ、行こうか」





八雲が先に歩き始めた。依乃里はふと、空を見上げる。





雲行きが怪しい。雪が降らないといいんだけど。






昴先輩をあまり待たせたくない。行く前に連絡しよう。





駅から五分ほどで目的の場所に着いた二人。コートを受付に預けて会場に入って行った。





「明星くん久しぶり」





明星こと八雲に話しかけてきたのはスーツ姿の男性。声からも分かるように爽やかな印象の人だ。






「久しぶりだな。元気だったか?」





配信者仲間かな?敬語が抜けているってことは同い歳?




やっぱり交流関係が広いな八雲くんは。




「あぁ、配信見ての通りだ。てかお前、いつまで顔出ししないでいるつもりなんだ?せっかくいい顔してんだから顔出しすればいいのに」
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