【クリスマス短編①】クリスマスツリーに奇跡を乗せて


 冬馬はわたしよりも5つも年下。付き合い始めた頃はわたしのどこを好きになってくれたのか、そんなことばかりを考えていた。
 年下の男性と付き合ったこともないわたしは、ただただ困惑したけど、冬馬はわたしにとても優しくしてくれる。

 年齢なんて関係ないと、そう言ってくれるんだ。
 わたしが迷ったり悩んでいたりすると、すぐに分かるみたいで【朱里さん、どうしたの?】と可愛く聞いてくる。
  
 冬馬はこんなわたしのことを、本当に大切にしてくれる。
 わたしがバツイチでも、そんなの気にする様子もなく、平気で手を繋いだりハグもしてくれる。

 時々嫉妬するのか、嫉妬するとすごくキスをしてくるのだ。
 そんな冬馬のことを、わたしはいつのまにかこんなにも好きになっていた。
 大切にしたい相手だと、そう思った。

 わたしみたいな女を好きだと言ってくれるのは、冬馬だけなんだと思う。
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