再会してからは、初恋の人の溺愛が止まりません

「……でも」


私はびくびくと怯えながら、真っ直ぐ悠くんを見つめる。

引っ込んだ涙がまだ滲んできた。


「やっぱり、まだ悠くんの彼女でいたい……お別れは、撤回してもいい?」


会っていない間、片時も悠くんを忘れることはなかった。

いつの間にか、悠くんの傍にいることが酸素のように欠けてはいけないものになっていた。

いないと生きていられないのは私の方なの……。





すると、悠くんの表情から冷たさが消えて、よく知る穏やかな顔つきに変わった。


「撤回もなにも、俺は響と別れる気はないよ」


別れる気はない? つまり、私と悠くんは今まで通り付き合っていると解釈していいの?

悠くんの発言に、私は涙を浮かべたまま目を丸くさせていた。


「響を他の男の所へ行かせないから」


真剣な眼差しを向けられて、頬に熱が集まっていく。

あまりの熱さに蒸発するんじゃないかと錯覚してしまう。

私が他の人のところに行って欲しくないの……? 悠くん以外に好きになる人は現れそうにないから、行く気はないけどね。

そんなことを言われると、悠くんが私に対して独占欲を持っているんだって自惚れそうになる。

好きな人に言われて、挙動不審になるなって無理な話だ。


「これからも、悠くんは、私の彼氏……?」


確認するように尋ねると、私の目に大好きな柔らかい微笑が映った。


「そうだよ。こういうこと、響にしかしたくないから」


突然、悠くんに抱き寄せられて、首筋に唇が触れた。


「あ……」


ゆるやかな甘い痺れが走り、思わず声をもらしてしまった。

は、恥ずかしい……。
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