僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
 そう思うと、()()()()()()スマホに連絡してとか言いながら、応じなかった僕も悪いよねと思って溜め息がこぼれる。

 連絡があったと言うことは、葵咲ちゃんは“寂しかった”んだ。

 そう思ったら、ものすごい罪悪感に襲われて。

 とりあえずしんどさにベッドに寝そべってから、葵咲ちゃんに電話をかける。

 と、1コールも終わらないうちに『理人(りひと)っ!?』と愛らしい……でもどこかソワソワした声。

 僕の愛しの彼女は、どれだけ心配性で愛情深いんだろう。僕は葵咲ちゃんに、すごくすごく愛されている、と自惚(うぬぼ)れてもいいのかな?

「ごめんね、葵咲(きさき)。連絡、くれ、てたの……寝入、ってて今、気付いた、んだ」

 言うと、『うん。えっと、あのっ……ごめんなさいっ! 実は心配で……さっきあなたの様子、見に行っちゃったから……理人(りひと)がぐっすり眠ってたの、知ってる……の』とか。

 『あ、でもお願いっ! 実家には電話しないでっ』と慌てたように言って、『理人と……離れたく、ないの』と小声で付け加える葵咲(きさき)ちゃんに、僕は「しないよ」と即答した。

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