敏腕パイロットとの偽装結婚はあきれるほど甘くて癖になる~一生、お前を離さない~
ここでアサイン――自分の今日の役割の確認をするのだ。

続けて、今日の天候、そして搭乗予定者数、車いすなどの配慮がいる乗客がいるかどうかなどを細かくチェックする。

あっという間に終わるブリーフィングだが、重要な要素が詰まっているため何度経験しても緊張感が拭えない。

そしてトーキーと呼ばれる小型無線機を持ち、業務開始だ。

このトーキーはグランドスタッフだけでなく、飛行機の誘導、荷物の搭載や汚水処理などを担当するグランドハンドリング――通称グラハンスタッフともつながっていて、専門用語が飛び交っている。

新人の頃はさっぱり解読できず、何度も先輩に質問しては「そんなこともわからないの?」とお叱りを受けていた。


「FJ205便リメイン一名です。座席番号二十二のジョージです」なんて言われても、新人の頭の中はクエスチョンマークだらけなのだ。

でも、忙しくてピリピリしている先輩たちも親切には教えてくれない。

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