敏腕パイロットとの偽装結婚はあきれるほど甘くて癖になる~一生、お前を離さない~
手続きを待つ乗客の中に大量の荷物を持った若い男性がいて、どうかあの乗客に当たりませんようにと心の中で願った。

荷物が多いとトラブルになりやすいので、できれば避けたいのが本音なのだ。


私が発券していると、隣のカウンターで同じ作業をしていた先輩が、妙にゆったりと小学生くらいのお子さんとの会話を楽しんでいる。

これは……わざと?と勘繰るのは、次が大量の荷物を持つ男性客だからだ。


「次の方、どうぞ」


私が満面の笑みで迎えたのは、その乗客。

私の予想は外れていなかったようで、隣の先輩は私が案内したあと即座に会話を切り、次の乗客を呼んだ。

はぁー、と心の中で盛大なため息をつくものの、もちろん顔には出さない。

これも業務だといつも通りの対応をする。


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