Swallow
ベッド横にある棚には手入れされた花と写真が飾られている。

昔メイが町に居たとき、一枚だけとった僕とメイの写真。

メイの細くなった腕には沢山の針の後があり、薬の後遺症なのか頭にはブロンドの髪が所々に生えていた。

そして、やつれていて、表情のない顔はとても痛々しかった。

看護婦「メイ様は、外出できるはずもない状態だったんです。自分でももう長くないのはわかっていたようで・・・・・・。最後に遠い異国にいるあなたに会いに行ったんです。帰ってきてすぐ・・・・メイ様の意識はなくなりました。それで、お節介かもしれなかったのですが、私はメイ様の代わりにあなたに手紙を送ったのです」

僕は長いことそこには居ることができず、早々に病院を後にした。

今、空港への列車を待っている。

そして駅のベンチで額縁入りの写真を見つめていた。

幼くも顔立ちのしっかりした少女と自分がそこにいる。
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