名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~

 
 ピンーポン

「はーい」と玄関に一番近いところにいた紗月がドアを開けた。

「園原さん、今日はよろしくお願いします」

「いや、こちらこそよろしく、付き合わせてしまって悪いね」
と紗月に挨拶をしてから私に向かって言う。
「夏希、荷物詰むけど これでいいのか?」

「はーい、よろしく」
って、明るく返事をしたけれど、私も将嗣に付き合って仕方なく行くんですけどね。
 まあ、これも美優の為と思えば、仕方ない。

 美優がいなければ将嗣との関係も別れた時点で切れていだろう。そして、朝倉先生との運命的な出会いもなかったはずだ。
 そう思うと不思議な感じがする。

 よく親は子供に育てられているとかいうけれど、確かに子供が居なけれ考えなかったことが沢山あって、子育てによって親も成長していく。
 今回の将嗣の田舎に行って御両親に会うということも美優や私にとって何かプラスの方向に向かってくれることを願った。
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