すてられた想い人をなぐさめたら、逆に私がひろわれました!?
***


「――鳴宮(なるみや)の言いたいことは分かった」


 ややしてポツン、と。

 柳川(やながわ)がそう言ってくれた瞬間、私はホッとして全身の力が一気に抜けた。



「――って、オイ! 鳴宮(なるみや)!?」


 柳川が崩折(くずお)れる私を抱き止めて、必死に声を掛けてくれたけれど意識が混濁して――。

 しっかりしなきゃって思うのに、目が開けられないままゆっくりと……。



 ……溶暗(フェードアウト)――…………。
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