すてられた想い人をなぐさめたら、逆に私がひろわれました!?
「その方がなんか特別感出るじゃん? 言凛ちゃんのこと〝鳴宮〟って呼び捨てさしてもらいよった時も、俺ん中では結構そういう特別感みたいなのに浸っちょったんじゃけど」
そこまで言って私をじっと見つめると、「――けど、考えてみたら柳川も言凛ちゃんのこと、親しげに鳴宮って呼んじょるな?って思って」って言うからドキッ!とした。
何でここで柳川のことを言うの、そのさん!
「まぁ、柳川と言凛ちゃんは同期じゃし、俺ら上級生より打ち解けとっても仕方ないんじゃろうけど……」
そこでいきなり距離を詰められて、視界が一瞬で白に包まれる。
最初、何が起こったのか分からなかった私だけど、そのさんにギュッと抱きしめられて、彼の白衣の色に視界を覆われたんだと気が付いて……。
「――っ!」
驚きで身体が動かせなくなった。
「――正直な話。あんまり親しげでマジ妬けたわ」
ボソリとこぼすように落とされた低い声に、心臓がトクンッと跳ねる。
「そ、の……さん」
いつものおちゃらけた感じとは違うその声音に、思わず彼の名をつぶやいたら、ほんの少し腕を緩めたそのさんが、
「ね? じゃけぇさ。俺、ちょっとだけ柳川に抜け駆けしたいんよ。――お願い、ことり。俺のこと、下の名で呼んで?」
そのさん、お返事は待ってくださるんじゃなかったんですか?
そんなに一気に距離を詰められたら私……どうしたらいいか分からないです。
そこまで言って私をじっと見つめると、「――けど、考えてみたら柳川も言凛ちゃんのこと、親しげに鳴宮って呼んじょるな?って思って」って言うからドキッ!とした。
何でここで柳川のことを言うの、そのさん!
「まぁ、柳川と言凛ちゃんは同期じゃし、俺ら上級生より打ち解けとっても仕方ないんじゃろうけど……」
そこでいきなり距離を詰められて、視界が一瞬で白に包まれる。
最初、何が起こったのか分からなかった私だけど、そのさんにギュッと抱きしめられて、彼の白衣の色に視界を覆われたんだと気が付いて……。
「――っ!」
驚きで身体が動かせなくなった。
「――正直な話。あんまり親しげでマジ妬けたわ」
ボソリとこぼすように落とされた低い声に、心臓がトクンッと跳ねる。
「そ、の……さん」
いつものおちゃらけた感じとは違うその声音に、思わず彼の名をつぶやいたら、ほんの少し腕を緩めたそのさんが、
「ね? じゃけぇさ。俺、ちょっとだけ柳川に抜け駆けしたいんよ。――お願い、ことり。俺のこと、下の名で呼んで?」
そのさん、お返事は待ってくださるんじゃなかったんですか?
そんなに一気に距離を詰められたら私……どうしたらいいか分からないです。