婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!
 サーラはあらためて、目の前の王太子を見つめた。
 淡い金色の髪。
 今は伏せているその瞳は、透明な青色。
 見た目だけなら、女性なら誰でもうっとりとするような美貌の王子様だ。
 だがこのカーティスは婚約者であるサーラを差し置いて、あるひとりの令嬢に夢中になっていた。
 男爵家の娘で、エリーという名前だった。
 このリナン王国では、一定の年齢になった貴族は王立の学園に通うことを義務付けられている。
 その学園でエリーは、可愛らしい容姿と料理の腕でたちまち注目の的になっていた。
 ひそかに噂されていたところによると、彼女にはどうやら前世の記憶というものがあるらしい。そこで得た知識で、珍しい料理を作るのだと言う。
 その彼女の、前世の記憶というものが問題だった。
 この国には、過去に異世界から来た女性が聖女となり国を救ったという歴史がある。
 美しく優しく、精霊に愛された偉大なる救世主だ。
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