若き海運王は初恋の花を甘く切なく手折りたい
 もう片方の手でジッパーを器用に外したカナトは、マツリカが着ていたドレスをすとんと落としてしまう。重力で落ちたエメラルドグリーンのドレスが床できらきらと星を散らしている。ドレスを脱がされ下着姿になったマツリカは、彼にショーツごしに秘処を刺激され、カナトの腕のなかへと崩れ落ちる。腰が砕けるような快楽から逃れることもできないまま、彼女はせめてもの抵抗に噛みつくようなキスをする。その瞬間、ひたすらやさしかった彼の瞳が獰猛なものへ切り替わる。

「ッ……悪い子にはおしおきだよ」

 昨晩のようにキングサイズのベッドのうえに沈められて、キスの雨に晒されながらはだかにされて、マツリカは切ない声で啼く。

「ん、ぁあ」
「すきだよ、マツリカ。俺だけのフェスティバル・フラワー」
「っあぁ――!?」

 手と舌で敏感な場所を責め立てられて軽く絶頂を迎えたマツリカはカナトの言葉に絶句する。
 信じられないと涙を溜めた双眸を見開きながら、彼女は「いま、なんて言った?」と彼に確認を取ろうとする。
 けれども彼は、それ以上何も言わず、マツリカの弛緩する身体をぎゅっと包み込むだけ。
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