クールなイケメン総長さまの溺愛には注意です!
俺は深呼吸をひとつすると、目を見開き、襲ってくる奴らを避けては急所をつく。
思った通り武器を持ったやつはわんさかいて、ケンカも大したものじゃなかった。
次々倒していき、敵も残り半分くらいになった頃。
「さすがだねぇ。全国No.1の総長さん。強い」
やけにニタニタ笑う歩は不気味で。
ゾッと背中に寒気が走る。
「おい、何がおかしい」
できるだけ低く、尋ねる。敵は随分減っているがそれでもまだ多い。
ちっ。
めんどくさい。
愛華は大丈夫だろうか。あんなところに1人にさせたが。でも愛華を巻き込まなくて済む方法はあれしか思い浮かばなかった。
………嫌な予感しかない。
和人、早く来い!
「別に〜。コイツがどうなってもいいのかな〜と思って」
間延びした声にいらだちが募る。ハッとして後ろを振り向けば……
「た、太陽………助けて………」