クールなイケメン総長さまの溺愛には注意です!

だけど………



『きゃあああ!』


『随分生意気だな!』



小さい私は男にかなうはずもなくひょいっと抱き抱えられる。


男の手は、生ぬるくて気持ち悪い。


お願い……誰か助けて……。



『ひっ!』



太陽にすがるように見つめるけどその場から逃げ出してしまった。


あぁ、私は……どうなるんだろう……。


抱えられて、どこかに連れていかれそうな時、



「うっ………いか、ないで……太陽……」



うっすらと意識が戻り、そう呟いていた。


そうか……太陽が苦しんでいた理由がわかった。私を置いて逃げたからだ。


ようやく思い出した………。


私は誘拐されたんだ。



「あれ?目が覚めちゃった?」


「………うわぁ!」



いつの間にか私の目の前にはヤンキーが数人いて、そのうちの1人が私の顔を覗き込む。


…………怖っ!


ってか、太陽はどこ!?


記憶が戻ったのにも関わらず、さっきよりも冷静になっている自分に驚く。


そして……私が求めるのはやっぱり太陽。


記憶を思い出しても太陽のことが好きなんだ。
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