クールなイケメン総長さまの溺愛には注意です!
「そうしてちょうだい。よろしくね」
「了解」
その後は他愛もない話をしながらご飯を食べ終え、食器を片付ける。
洗面所で歯磨きをして顔を洗う。
鏡で再度チェックしてから家を出た。
「行ってきまーす」
「行ってらっしゃい。気をつけてね」
お母さんの声を背中に受けながらドアを開けるとサァー………と優しい風が吹いた。
深呼吸をひとつすると本をカバンから取り出し、読みながら学校まで歩いた。
私は清水愛華(しみずまなか)。高校2年生。読書をこよなく愛する地味な女子高生です。
取り柄と言ったら、勉強ができることくらいでどこにでもいる普通の高校生。
友達は指で数えるくらいしかいないけどそれでも信頼できる友達がいるからいいんだ。
「ふふっ」
本が面白すぎて思わず笑ってしまう。
歩き読書は良くないことだとわかっているが続きが気になって仕方ない私はこうして毎日のようにしている。